宮城県の防波堤の計画

宮城県の防波堤の計画
つくらずに、引越したほうがコスト安いし安全だよね
過去へのこだわりでいいことはまったくないよ



防潮堤「巨大すぎる」 宮城県計画に異論、住民合意が課題
河北新報 6月30日(土)9時32分配信
 東日本大震災津波被害を教訓に国と県が高さを設定した海岸防潮堤をめぐり、29日の予算特別委員会総括質疑では、議員と県側が激しい応酬を繰り広げた。「高すぎる防潮堤はいらない」「命を守るために避けられない」−。県土再興へ、攻めの行政を展開する県。そこに住民合意という大きな課題が突き付けられている。
 気仙沼地区を地盤とする畠山和純議員(自民党・県民会議)は2月定例会に続き、対決姿勢を鮮明にした。
 「住民は困惑している。なぜ高い防潮堤が必要なのか」
 気仙沼市には、約10メートルの高さに設定された防潮堤が複数箇所ある。畠山氏が疑問視する舞根地区の漁港に設置予定の防潮堤もその一つだ。
 県の計画に、住民は一斉に反発した。「巨大防潮堤は海と陸を分断する」。漁港を管理する市に撤回を求める要望書を提出し、市も同調した。
 畠山氏は「海の近くで働く人は海を見て、津波が来るかどうかを判断する。防潮堤で海が見えなければ津波は分からない」と住民の声を代弁。「スーパー防潮堤」不要論を強硬に唱えた。
 県側は「命を守る防潮堤は不可欠」という立場から引かなかった。
 橋本潔土木部長は「防潮堤の高さは、命と財産を守るために設定した。本格的な事業の実施に向けて住民に丁寧に説明し、理解を求めたい」と強調。防潮堤が各市町のまちづくりの基本になっている現状を説明した。
 村井嘉浩知事も「県は旅行者や他地域の県民が来ることも想定する。いま造らないとできない」と、復旧段階の建設の必要性を訴えた。
 「造るな」という議員。「造りたい」と言う県。答弁中、村井知事は「(議会から)『造れ』と言われたことはあるが、『やらないでくれ』と言われるのは初めてだ」と戸惑いを口にした。
 県は復興計画の第一に「災害に強いまちづくり宮城モデルの構築」を掲げる。策定段階の方向性に間違いはなかった。しかし、現場に計画が下りてきた今、そこに住む人々が異議を唱えている。
 質疑の終盤、畠山氏は「今後も質問する」と言い切った。村井知事は「現場に伺い、ご指導を受けたい」と言った。2回の定例会で平行線をたどる両者が歩み寄る糸口は、現場にしかない。